「女は指先から」

女は指先から

Text oyumi

「女は指先から」とよく聞くが、指先に関しては小学生の頃から口うるさく注意されながら育ってきた記憶がある。

前へならって整列する時、背筋と指先をピンと伸ばすように教わってきた。そうするとだらしなく見えずにビシッと決まるし、後輩のお手本になるからだ。

爪が不必要に長いと怒られもした。伸びた爪と指の隙間には雑菌が溜まりやすいという理由からだった気がする。

大人になると、爪がキレイな人はとても上品に見える。形がキレイなだけで羨ましいとさえ思う。

爪は髪や肌に比べると積極的に注目することはないけれど、それらと同じくらい美と健康を象徴するパーツだ。

女は指先から

見た目に気を使いたいとき・お洒落をしたいとき、鏡をよく見る。だから私たちは髪と肌に注目しやすいし、髪の痛み具合や肌の荒れ具合にはとても敏感なのですぐ気付ける。

けれども、実際人の髪と肌を普段人と接してるときにそこまで見ることって自分の場合はない。いつもよりキレイだったり変化があるともちろん「あっ」と気付けるけれど、根元が黒くプリンヘアーになってたりニキビができてても正直それで何かマイナスな気持ちは生まれないし、下手したら気づきすらしない。(私の場合はですが…)

ところがSNSで誰かの自撮りを見るとき、不思議と私は爪が目に入ってしまう。意識して見ているわけでもないのに、なぜか「ああ、ジェルネイルせっかく可愛いけど根元結構伸びてるな…」とか「マニキュアがはげてるな」とか、そういうことには気付いてしまう。ちょっとだらしないなあ、と思ってしまう時もある。爪がその人の内面を表すからだろうか。

忘れがちだが、爪は伸びるのが案外早い!一人暮らしを初めてすると爪切りの重要さに気付くくらいである。

伸びれば伸びるほど、爪の間にゴミが挟まったりすると一目見てわかるくらい黒ずむ。

それから、食生活が悪いとバカみたいに爪はよく割れる。

そんな繊細でもろいくせにすぐ伸びてくる爪のケアをきちんとできる人というのは、単純に美意識が高いというだけでなく、なんとなく几帳面だったり見えないところもきっとキレイにしているんだろうなという印象を覚えるのだ。

爪のケア

爪が他と違うところがもう1つある。それは「鏡が必要ない」ことだ。

どんなに髪をいい感じにセットしても、ベースメイクで完璧にニキビ跡や毛穴を消したり可愛い色のアイシャドウ を塗っても、肝心な自分の顔は鏡がないと見れない。

顔をキレイにする基本的な目的は自分のためではあるのはもちろんだけれど、半分は誰かのためでもある。義務感とも言える。

でも、手を動かせば爪は必ず視界に入る。その爪がいつもよりキレイに整えられていたり、色が塗ってあったり、洒落た見た目をしてたりするとものすごく安心するのだ。

これが自分の顔だとうっとりなんかできない。私は鏡を見ても「もっと鼻の下が短かったらな」といつも思うし、実物よりよく撮れた自撮りを見ても「現実じゃないしな」と萎えてしまう。全身鏡なんか見たら「太ってる」と泣きたくなるものだ。

それに比べて、爪そキレイにするのはほとんど自分のためだ。自己満足といってもいい。

正直、何にもやんなくたって誰も気になんかしない。男でネイルアートが趣味な女をいい女と呼ぶのは少ないだろう。(少し前はよくネット上で「ネイルアートを否定する男VS別に男のためにやってないと主張する女」の不毛な議論を見かけた)

いつもはブサイクだと思っている自分を、体の一部だけれど一瞬でもうっとりできるって、なんて素晴らしんだろう?

ネイルシールを使う訳

マニキュア、ネイルシール、ジェルネイルなど爪を塗る方法はいろいろある。

手軽さ、デザイン性、持ちなどその時の自分の気持ちで選んでみるといいだろう。

私は部屋で映画やテレビでも流しながら自分で爪をいじる時間が好きなので、手持ちのマニキュアやネイルシールを並べてどれにするか考えてみることにします。

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