プロ向け【ファイリングはなぜ重要?苦手克服】〜part1知識編〜

text by myon ファイリングはネイル施術で欠かせない工程の一つ。しかし、このファイリングの重要性について、実はネイルを勉強したことがある人でも詳しく知らない・忘れていた人も少なくないのでは? ファイリングの目的は、「爪の形を形成し見た目を整えるため」だけではありません。「層の乱れを整える」という大切な役割もあるのです。 ネイルサロンに勤務し出したばかりの駆け出しネイリストさん。 スクールに入学して、これからJNA3級~1級を目指す皆さん。 このようなファイリングの重要性について、改めて理解を深めてみましょう。さらにこの記事では、上達するために必要な知識やコツについてもご紹介します。 ファイリングの重要性について ファイリングの目的は大きく分けて2点あります。1つは「爪の層を整えること」、もう1つは「形を形成すること」。 工程のひとつと捉えず、それぞれの意味を考えながら施術してみてください。 【ファイリングの目的①】乱れた層を正し、丈夫な自爪にするため 爪は三層でできていますが、この層が乱れていると二枚爪や乾燥の原因になります。層の乱れを整え丈夫な自爪にするために、ファイリングは欠かせません。 通常、爪のカットや形成の際は、まず爪切りやネイルニッパーでカットします。しかしカットしただけでは層は乱れた状態のままなので、二枚爪になりやすい状況です。ここでエメリーボードを使用してファイリングをすることで、爪の断面を整え丈夫な爪へと繋げられるのです。 美容・オシャレとしてのネイルを楽しめるのも、丈夫な自爪があるからこそ! キューティクルオイルやハンドクリームなどで保湿を行うことも大切ですが、層を整えることが一番初めに行うべき、重要な基本です。 【ファイリングの目的②】見た目を整えるため 爪の形がキレイに整っているかどうかで、目に入った時の印象がとても変わります。 長さと形が10本揃った爪先と、欠けたりギザギザしたり整っていない爪では、仕上がりや見た目に大きな差が出るのはもちろんです。 完成度の高い仕上がりや清潔感のある手元のためにも、ファイリングは必要不可欠と言えます。 ファイリングを上達するために必要な知識 ファイリングの必要性を理解した上で、上達するために必要な知識とコツをご紹介します。まずは、知識から身につけましょう。 基礎知識を徹底して身につける 上達するための知識を身につける前に、まずは基礎を理解することがとても大切。ファイリングをする際に特に大切な4つの基礎をご紹介します。 ①最適なファイルを使用 ファイルのグリッド数・厚みは色々ありますが、その場面に適したファイルを選びましょう。 自爪を削る際は、180~240グリッドのエメリーボードを使用。荒いファイルだと振動が伝わり、お客様に不快感を与えます。また、表面を削る際に使うような厚みのあるファイルは、ストレスポイントなど細かい部分に入りにくいです。 一方、ジェルやスカルプの先端・表面をファイリングするときは、厚みがあり荒めのものを使用しましょう。厚みがないと、しなりが出てファイルがしっかり当たりません。また細かいファイルでは削ることができず、摩擦が生じやすいためです。 ②往復がけせず、一方向に 自爪への往復がけは、爪の層が乱れ二枚爪や乾燥の原因になります。上から下、左から右など一方向にかけましょう。手を戻すときは力を抜き、ファイルが当たらないように気をつけてくださいね。 ③利き手と反対の手でスキンダウン・支えをしっかり ファイルを持っていない方の手を使ってスキンダウンし、皮膚をしっかりガードさせましょう。 人により、肌の敏感さは様々。一度痛みを感じてしまうと、それ以降恐怖心やストレスを与えてしまうかもしれません。どんな人にも最初から痛みを感じさせないよう、反対の手でスキンダウンすることを忘れずに。 またフリーエッジが長い場合は、親指で爪自体をしっかりホールドしましょう。爪が動かないよう親指で固定するかしないかで、振動の伝わり方が大きく変わってきます。 ファイリングに限らず、ネイル施術をする上で利き手でない方の手の使い方は重要です。支えの手をコントロールすることで、自分自身も施術しやすくなりますよ。 ④ファイルは端の方を持ち、ストロークを長く ファイルが当たる面を増やすため、なるべく端を持つことがポイント(下記画像の★辺り)。 親指を下にし、人差し指と中指で軽くつまむような感じでファイルを持ちましょう。 そして、ファイルをかけるときは1 ストロークを長く。小刻みにファイルを当てるより角や段差ができにくく、表面やフリーエッジが滑らかに仕上がります。 また無駄な動きがなくなり、施術のスピードアップ効果も! 最適な角度であればバリはほとんど出ない フリーエッジを削った後はバリをとりますが、正しい角度でファイルを当てていればバリはほとんど出ません。バリが多く残っていたりこの作業に時間がかかったりする場合は、ファイルの角度や裏面まで当たっているかなどをチェックしてみましょう。 正面・横いろいろな角度から仕上がりをチェック 正面から見た仕上がりを重視しがちですが、あらゆる面から確認することが重要! 特に横顔は、丸みを帯びた形であれば角が残っていないか、横から見たとき段差なく繋がっているかなどをチェックします。 慣れないうちは、一目見て訂正すべき場所がわからないことが多いかもしれません。その場合は、お客様の爪を手前に下げて角度をつけて確認すると、歪みや直すべき場所がわかりやすいですよ。 part2上達のコツ編では、実際のサロンワークで先輩に聞くような、 すぐに役立つリアルなファイリングのコツをご紹介します!