- 2021-4-20
- ネイリストのためのネイル知識, ライター投稿
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Text by サクラマチ
2005年からの大きなトレンド、流行ったネイルアートについてのまとめ
常に先のトレンドを追い続けてしまうネイル業界ですが、今回は逆に、過去のトレンドネイルを振り返ってみましょう。
ネイル市場が拡大し始めた2005年から2020年までの大きな流れを一気にご紹介しますので、当時を振り返りながらチェックしてみてください。
2005年にネイル市場は急上昇!流行のネイルは?
日本でもネイルは一般的なファッションとして古くから親しまれてきましたが、2005年から一気にネイル市場が急成長を遂げるようになります。
その原因は、ジェルネイルの登場。海外で流行したジェルネイルが日本に伝わってきたのは2000年のことですが、当初は芸能人などの限られた人のみが楽しむネイルにとどまっていました。
ジェルネイルが徐々に低価格化することで、アートなネイルは一般的なブームに。ネイルサロンが急激に増え、ネイル人口も一気に増大することでネイルアートも急速に広がるようになります。
ちなみに2005年はデコレーションブームに火が付き、スワロフスキーなどでキラキラに埋め尽くした携帯電話「デコ電」が人気を集めるようになりました。
ネイルも派手なデコネイルが人気を集めるようになり、サロンでビジューやスワロフスキーをのせた立体的なネイルも数多く登場。市場ではネイルに貼るだけでアートが完成する、ワンポイントシールが発売されるようになります。セルフでも簡単にできるデコネイルグッズが次々と発売され、多くの方に愛用されるようになりました。
ギャル文化も後押し!2006年からブームのデコネイル
2006年以降もデコネイルブームは続き、立体的なフラワーやリボン、ストーンをのせた3Dネイルアート人気が継続します。スカルプチュアによる長めのネイルも好まれ、季節を問わず、光沢のあるキラキラネイルがトレンドとなりました。
2008年はギャル系ファッションの流行にのり、大きめのビジューや複数のストーンをのせるネイルが主流に。
ただし一般的なネイルとして日常生活にはあわないため、グリッターやラメを散らした上品なキラキラネイルも登場するようになりました。
透明感のあるホログラムや細かなラメならばアートを楽しみつつも、普段でも楽しめるように。フレンチネイルにしてアクセントにビジューを施す、立体的なフラワーは爪1本だけ・・・など、徐々に派手なデコネイルはおとなしいネイルへと変化していきます。
2009年からネイルのトレンドはナチュラルに
2009年以降になるとメイクのナチュラル傾向が強まるようになり、2008年までの目力を強めた「デカ目メイク」とは真逆の方向へと進み始めます。ネイルのトレンドも「自然」を意識したものへと移り変わり、2009年から2010年はホワイトネイルが登場。
ホワイトフレンチやオフホワイトを使った、柔らかな印象のネイルアートが好まれるようになりました。ビジューやラインストーンを使ったアートネイルは定番化し、アクセントとして施されるように。ホワイトネイルとも相性がよく、フレンチネイルの境目にあしわれることも多々ありました。
2011年から2012年にはホワイトネイルだけでなく、優しい色合いのシャーベットカラーが春夏のトレンドになりました。パステルカラーよりも淡いカラーは指先になじみやすく、ほどよく爪先が明るくなるため多色使いでアートを施す人も。短い爪でも映えやすいため、爪の長さも2006年よりずっと短く、ショートネイルを主流にしたアートへと移り変わります。
2013年からは清楚な柄ネイルが人気に!
2013年にはさらに清楚なヘアメイクが流行し、ネイルもドットやボーダーなどの柄物が増加するようになります。ドットでもブラックをシースルー風に見せたクールなネイルなどがあらわれたため、大人でも試しやすいデザインに。
柄ネイルも多種多様かつ繊細なアートネイルが拡がりを見せたことで、個性あるネイルデザインが次々と展開されるようになりました。
春にはレース柄、夏にはストライプ、秋冬には千鳥格子やアーガイル柄と、シーズンによって柄を楽しむネイルが提案されて、より季節感を楽しめるように。同じタータンチェックでもカラーを変えるだけでシーンに似合わせやすくなるため、自分好みのネイルアートを楽しむようになります。
ステンドグラス柄やマーブル模様を施すようになるのも、ちょうどこのころ。シンプルな単色カラーでも柔らかなミルキーカラーが登場することで、ピンクもビビッドなカラーから白を混ぜた優しい色合いが好まれるようになります。ネイルには使いにくかったグリーンなども柔らかな色合いにおさまるため、さまざまなカラバリが登場するようになりました。
2015年にネイルアートはさらに進化!
2015年頃にはさらにネイルアートは進化をとげ、複雑な模様を作り出すようになります。夏にはマーブルやタイダイ模様で作られた天然石ネイルや、オーロラのように輝くオパール風ネイルを楽しむ人が増えてきます。
秋冬にはべっこう柄をアクセントにするデザインの他に、ベルベットやファーなど、モコモコとした質感のネイルがあらわれるように。優しい生地の風合いを再現した、ブランケットネイルなども登場してきます。
大理石ネイルやエスニックネイルも誕生し、かつての「派手」「キラキラ」という分かりやすいネイルアートから、より複雑でグラフィカルなネイルへと移り変わるように。
同時にメイクは「血色メイク」が好まれるようになり、チークやリップのカラーが見直されるようになります。ネイルもチークネイルのような、ほんのりと赤みを感じさせるグラデーションネイルが流行しました。
さらに2014年から2018年には80年代や90年代のトレンドが再びめぐってくるため、太眉や赤リップなどが流行。秋冬にはネイルもメイクに合わせ、ヒョウ柄やボルドーカラーにする人も増えるように。
2016年はアートネイルが進化をとげたいっぽうで、ヌーディーカラーもトレンドのひとつに加わります。肌なじみのいいベージュやピンクベージュはオフィスにも似合ううえに、指そのものが長く見える効果も。働く大人女子からも高い支持を得るようになりました。
ワンカラーでキレイに仕上がるポリッシュが多く販売されたため、セルフネイル派からも好まれるように。同時にラフに塗るだけでアートになる、塗りかけネイルも登場し始めます。
2017年から登場するアートな大人ネイルとは?
2017年からはバンダナ柄やペイズリー柄が登場し、再びパールやビジューをアクセントにしたネイルが再び人気を集めるように。アートなボタニカルを描いたネイルはかつての3Dネイルよりも日常に溶け込みやすく、子供っぽくならないことからエレガントなネイルデザインとして親しまれるようになりました。
特にボタニカルと相性のいいオレンジやグリーンを使ったネイルも目立つようになり、この頃からラベンダーカラーなども取り入れられるようになります。水彩画のような美しい花を描くネイルアートと共に、小さな押し花を爪に施す、押し花ネイルもあらわられるようになりました。
2017年から2018年の夏には、シェルを使ったサマーネイルがトレンドに仲間入り。シェルモチーフやペールカラーを使い、爪そのものを貝殻のような立体アートに見せたマーメイドネイルも登場します。
シェルの光沢にも似た、キラキラとした輝きを放つミラーネイルがトレンドになるのもこの頃。ヌーディーカラーでは物足りない人たちから注目を集め、季節を問わないメタリックネイルと共に注目されるようになりました。
輝きやツヤめきを放つネイルとは全く異なる、マットネイルも登場。毛糸の編み模様をネイルに施した、立体感のあるニットネイルを秋冬に合わせる人が増え始めます。布や毛糸の質感に合わせ、ツヤのない柔らかな質感をネイルで表現するマットネイルがネイルアートとして活躍するようになりました。
ツヤを消せるメリットを活かし、ネイルに水をひとしずくのせたかのような水滴ネイルも誕生します。
2018年からのトレンドは過去の集大成!?
2018年はよりナチュラルに、くすみカラーや大理石模様を取り入れたニュアンスネイルが好まれるようになります。ラベンダーやオリーブなどのカラーもアンニュイなくすみカラーにすると手になじみやすく、個性的でありながらもこなれた印象になるため多くの人が取り入れるように。
市販のポリッシュもカラバリがグッと増え、自分に似合う絶妙な色合いを選びやすくなりました。
さらに小さなスタッズや細いワイヤーなどのパーツを使ったネイルも登場し、ベージュなどのヌーディーなカラーに小さなゴールドワイヤーをのせ、アクセサリーのように施すネイルアートが誕生しました。100円均一ショップでもパーツが手に入るため、セルフネイル市場もより大きく拡大していきます。
ニュアンスカラーが好まれるいっぽう、秋冬にはボールド同様にブラックやネイビーなどの濃い色を使ったクールなネイルアートも高い支持を得るようになりました。
2015年以降の流行ネイルは2019年にもトレンドネイルとして登場し、シーズンごとに繰り返されるように。定番ネイルとして取り入れられつつも、その年のトレンドカラーや変化を少しずつ加えながら徐々にアップデートされているのでしょう。クラシックブルーやブラウンカラーを使いつつも、過去のアートを取り入れる形が多くなってきています。
近年ではかつてのホワイトネイルやヌーディーネイルは、2020年には乳白色ネイルやミルキーグラデーションネイルへ。定番のフレンチネイルは細フレンチや変形フレンチ、逆フレンチと形を変えつつも、トレンドを繰り返しています。
さらにロングネイルが復活し、再び3Dネイルを施す人も増えているとのこと。多様化や個性が主張されるようになってきた近年では、大きく分かりやすいトレンドはつかみにくいのかもしれません。
2005年から2020年のネイルの変化から分かること
ネイルのトレンドを振り返ってみると、意外とトレンドの移り変わりがあいまいなことが分かります。ある年を境にガラリと色や爪の形が変化するのではなく、前年のトレンドを引き継ぎながら、少しずつ変化をしていくように。ネイルアートは新しく生まれては消えるという流れを繰り返すのではなく、形を変えて徐々に進化していくのかもしれません。
かつて流行した3D なネイルアートも、現在では再び注目されるように。ホワイトネイルはカラフルな色に白をまぜた「シャーベットカラー」へと変化し、やがてグレーをまぜた「くすみカラー」としてトーンが移り変わっていきます。
実は過去のネイルトレンドにこそ、これから流行するネイルのヒントが隠されているのかもしれません。
同時に近年人気のマグネットネイルや水彩ネイル、ギャラクシーネイルなどの新しいアートも少しずつ誕生しています。これらのトレンドも今後徐々に変化し、定番ネイルとして根強い人気を誇るようになるのでしょう。
まとめ
2005年からさまざまなトレンドネイルアートをご紹介しましたが、大まかなネイルの流れをサッと紹介しただけのため、登場していないアートネイルがいくつかあったかもしれません。ヘアメイクやファッションの流行と共にネイルも少しずつ変化していますが、同様に流行を繰り返す兆しも。過去のネイルに注目してみると、新たな発見があるかもしれません。